戯れ言ブログ

ドラマや映画の感想の他、思ったこと感じたことを少しずつ流してゆきます。

映画 ダンケルク

試写会で観てきました。

感想として大きく3つの事を感じた。

【その1】
最近、戦争を描く映画は(ドラマを含め)身近に感じられるような捉え方(アングル?)で作られているように思う。
見た目のリアリティーではなく感覚のリアリティーとでもいうか。
正直、映画作りはCGや上映館での設備という再現性にしか進化する部分はもうないのかと思っていました。
しかし今回『ダンケルク』の試写を観てそれは大きな間違いだと襟をただす気持ちになった。

試写会前の紹介でこの作品の台本が70数ページとか言ってように記憶している。台詞が少なく薄い本だと。観終えた感想は「いやいや、台詞が少ないとは言えそんなページ数でよく作れたもんだな。リンクでも貼れる新種の台本なのか?!」と(笑)
切り取り方としてはまぁ分からなくもないが、ただただ凄い。というのも描いているはダンケルクの救出ただひとつのみだからだ。

この映画は救出劇を3つの視点から描いているのだがその時間軸の進み方がそれぞれ違う。
・港町ダンケルク(1週間)の視点
・イギリス民間船(1日)の視点
・戦闘機スピットファイア(1時間)の視点
を99分の作品の中で各々が収まるように作られている。
その各々の視点はいたってシンプルなのだが、ダンケルクから脱出しようとする兵士視点を描いて夜が訪れても、一方スピットファイア(または民間船)ではと場面が切り替わると昼間だったりするのだ。時間の進み具合が違って、(よい意味で)ノーランめ!としか言いようがない。
(あくまでも今回の作品では同じ視点の時間軸が戻ったりはしない。)
まだまだ面白い作り方はできるのだ。

【その2】
改めて第二次世界大戦中、日本との考え方の違いの大きさである。
当時の日本での「生きて帰ってくるのは恥」に対し「生き残れ、生きて帰ってこい」基本姿勢の違い。痛いほど感じた。帰ってきた兵士を乗せた列車が駅に着くと歓迎されるのである。この部分に関して思うところはたくさんありすぎるのだが、まぁこの映画の感想からは省きます。(笑)

【その3】
英国紳士のおじ様達は何故皆かっこいいのか!
若い頃おじ様スキーだったのですが、やはり今でも素敵なおじ様には痺れます。
ダンケルクで撤退を仕切る中佐、民間船の船長がかっこよすぎます。スピットファイアパイロットも素敵なおじ様に育つフラグが立っていました(笑)
若い兵士には残念なやつらもいましたし、まぁ残念なおじ様もいますよね。
しかし、イケてる英国紳士は本当にかっこいい。

【余談】
現在BSプレミアムで『刑事フォイル』という刑事ドラマが再放送されている。
1940年代のイギリス南部、ドーバー海峡に面したヘイスティングスという町の警視正が主人公。
日本で第3、4話とされる『臆病者』は1940年5月が舞台。そうこの映画『ダンケルク』と同じ頃である。物語内でもやはりダンケルクの救出に絡むシーンがあり、ラストはとてもやるせない思いになります。
そしてこのドラマの主人公、フォイル警視正もかなりイケてるおじ様なのだ。